ノイエギャラリー

ある冬の晴れた土曜日に、ノイエギャラリーへ行きました。

 

Neue Galerie

(1048 5th Ave, New York,NY 10028)

 

ニューヨーク一の高級エリアであるアッパーイーストにある美術館で、20世紀初頭のオーストリアとドイツの美術品が収集されています。

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映画に出てきそうなシックな建物。


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入り口の扉も素敵です。

 

 

1階はカフェとミュージアムショップ、2階と3階がギャラリー、地下にはレストランがあります。美術館の入館料は$25で、カフェやレストランのみの利用は無料とのことでした。

 

2階のギャラリーにはアンティーク家具や絵画が美しく飾られています。美術館というより、立派なお屋敷の中にいるかのようです。

 

この美術館でのお目当てはクリムトの『アデーレ・ブロック・バウアーの肖像Ⅰ』。映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』でもこの絵画がモチーフとなりましたが、様々な歴史を経てこの美術館へ辿り着いたものです。想像以上に大きく華やかで金箔と銀箔で輝いていました。

まだ午前中だったからか、美術館に来ていたのは年配のご夫婦がほとんどでした。空いていたので、近くでじっくり観たり、ソファに座ってぼーっと眺めたりしながら、ニューヨークの一等地にあるこの静かな部屋が『アデーレ・ブロック・バウアーの肖像Ⅰ』の終の住処なんだと一人でしみじみと考えていました。

MoMAでは人気の絵は人だかりで、こんなにゆっくりとは観れなかったので贅沢な時間を過ごすことができました。

 

 

3階の企画展のお部屋を少し覗いてから、楽しみにしていた1階のカフェへ。

ギャラリーよりもカフェの方が混んでいました。この辺りに住んでいる方々がお茶をしにきているのかもしれません。

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カフェもシックな内装でクラシックな雰囲気。

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ここで食べたかったのはザッハトルテ。濃厚なチョコレートと軽いホイップクリームがとってもおいしい。

 

 

地下の休憩スペースには、ADELE IN AMERICAとタイトルがつけられた絵が飾ってありました。

2006年に『アデーレ・ブロック・バウアーの肖像Ⅰ』が正式な相続人へ帰還されたとき、あるオーストリアの小学校では一つの課題が出されたそうです。ベルヴェデーレ美術館でその絵をみて、ADELE IN AMERICAというタイトルで絵を描くこと。そして、肖像画オーストリアからこのノイエギャラリーへ移されるとき、小学生たちが描いた絵もプレゼントされ今ここにあるのだそうです。

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アデーレが飛行機でニューヨークに降り立ったシーンや、ニューヨークのアパートで暮らしていたりビーチで日焼けをしていたり、どれも自由で個性的です。

 

静かで落ち着いたギャラリーの帰り際だったのですが、可愛くてユニークな絵をみて、なんだか明るい気持ちで美術館を後にしました。